お好み焼きを食べに行った

お好み焼きを食べに行った。友人のうちの一人であるKと一つ前の駅で待ち合わせた。ぶらぶらと歩いて時間を潰したあと、他の面々との集合場所に向かった。集合場所は思ったより人がたくさん居た。普段、ひきこもりの私は、土曜の夜に出歩いたりはしないので、それが多いのか少ないのかは分からなかったが、「人混み」という言葉がぴったりだと思った。

お好み焼きを食べに行くはずだったのだが、Yが「肉を食べたい」と言い出した。Yは発言力が強い。私は弱い。「特に問題ない。他が良ければ」いかにも日本人な反応をしておいた。すこし歩いて、見つけた店に入った。

その焼肉屋は客がおらず、がらんとしていた。なんだか気まずい感じがした。メニューを受け取る。私は横からチラとそれを見て、笑ってしまった。高い。一品で、今日の予算の半分くらいはする。「早く出よう」店員と私との距離があと6メートルあれば、そう言っていたと思う。焼肉屋に入って、飲み物だけ注文して帰るのも変だが、あんな値段を見たら、気持ち良く食えやしない。

お好み焼きが食べたい」なんてことを言って、それとなく出る流れにもっていった。実際に、お好み焼きの気持ちだったし、何品か食べたのだけど、すでに今日の予算を越えているようだった。他人事のような書き方なのは、友人が全額もってくれたからで、「持つべきものは友達だな」そんな、現金な人間と思われそうな言葉が出そうになった。

お好み焼きはおいしかった。そりゃ、肉はもっとおいしかったんだと思う。ぼったくるような感じでもなかったし、質に見当った値段にしたら、ああなったのだろう。お好み焼きは身分相応のおいしさだと思った。抜群においしかったとは言わない。以前も書いた気がするが、そもそも、そんなに味に敏感でないので、比較など、うまくできない。

甘いものも食べた。お腹がいっぱいだったが、別腹のようだった。すんなりとワッフルセットが消えた。なんとなく、もったいない感じがした。ここもまた友人がもってくれた。遠慮せず、厚意に甘えた。いつもと違う。もっと、味気ないものを食べているし、借りを嫌っている。大量消費、大量生産、そういうにおいが自分からした。変なものでも食べたのかもしれないと思った。

そのあと友人二人が家まで来て、朝まで居た。外にも出かけた。寒い中、半袖でキャッチボールをしたように覚えている。