友人と焼肉

友人らと焼肉に行った。

地元に住んでいるHが場所などを決めてくれた。私はあまりお店について詳しくないので、こういう友人が居るのは、ありがたい。Hに連れられて、自然と二列になって歩く。五人だったので、二人と三人に別れて歩く。三人側がすこし道幅に対して、きゅうくつな感じだった。ぞろぞろと連れられるようにして、しばらく歩くと、店についた。

そのお店は、以前、別の友人らと行ったときに、満員で入れなかった店だった。エレベータの前に立った時点で、それに気づいて、そのことを言った。「なんだ、ここか」なんて、そんな口ぶりだったと思う。我ながら失礼な物言いだ。

場所なんて、どうだっていいのだ。なんとなく、その友人たちの輪に溶けこんでいるような、そんな気になれるなら、場所なんて、どうだっていい。もっと言えば、肉でなくたっていい。カレーでもピザでも寿司でも釣りでも、バッティングセンターだっていい。いや、やっぱりバッティングセンターはすこし嫌かもしれない。とにかく、要は誰かとなにかをするかしないかが問題だ。わざわざ、そんなことは口に出さない。肉なら来たのを食えばいいし、バットならボールに合わせて振ってりゃいいのだ。「口じゃなくて体を動かせ」だ、間違っている気はするけど。

食べ放題だった。きっと普通に食べてもそんなに変わらないと思うのだけど、食べ放題というと、気にしないといけない項目からお金が減る分だけ安心して食べられる。一人で食べに行ったりしないのも、そういう心配ごとが減るからじゃないかと思う。

別段うまくもなく、別段まずくもなく、といった具合。前の寿司もそうだが、やっぱりこう味だとか食にこだわりがない、とか違いがわからないってのは損してるなあと思う。音が気にいったので「やまイモ」をたくさん食べた。なぜすべてカタカナにしなかったのだろうか、とか考える。シャキシャキとしていて嫌いじゃない。

決まりきった会話をした。人工知能でも入れそうな会話をした。つまらなくはない。ダチョウ倶楽部のようなものだ。そういえばダチョウは肉食なんだろうか。やまイモは食べるのだろうか。貴金属を身に付けていると危なかった気がする。卵が大きかった気がする。
決まった時間が経って、決まったお金を払って、決まっているかのようにMをおいてけぼりにして帰る。いつものように、ごめんごめん、などといい加減に謝る。そもそも、休み前に、飯をみんなで食うなんてこと自体が決まりきっている感じがある。

何度も書くけど、それも別に嫌いじゃない。