一日一冊『魍魎の匣』京極夏彦
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/01/05
- メディア: 新書
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今日の一冊は『魍魎の匣』京極夏彦。うぶめ(←当然のように変換できない*1。)の夏と同じシリーズ。ずいぶんと前から予約していたのだが、だらだらと二ヶ月ほど待たされた。
はじめ、この本の題を見たとき、魍魎と言えば魑魅魍魎(ちみもうりょう)の魍魎か、と思った。私は魑魅魍魎という言葉をこう記憶していた。「なんだかよくわからないが、ごちゃごちゃとしている化け物」それは大きく間違ってはおらず、結局、魍魎というのは「なんだかよくわからない」それそのものと認識した。
箱、匣、筥、死体、手袋、少女、霊能者、女優、医者、この本の中では、ごちゃごちゃとした、よくわからないものが複雑にもつれあって、きっちり、みっちりと詰まっている。しかし、読んでいくうち、あるところまで、もつれていくばかりだったそれらが、徐々にほぐれていく。最後のページを読み、本を閉じたとき「ああ、魍魎の匣を閉じたんだな」とそんな風に感じた。
*1:姑獲鳥