一日一冊『マルドゥック・ヴェロシティ 3 』冲方丁

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

今日の一冊は『マルドゥック・ヴェロシティ 3 』冲方丁マルドゥック・ヴェロシティの三冊目。相変わらず文体がひどい。前も書いたけど、体言止めと─の組み合わせが多すぎて、文を読んでいるというよりは、単語の羅列でもって状況の想像を強制させられてる感じ。一つの文から感じとれる情報量が他に比べて多いんじゃないかと思う。若干マシになったような気がしたけど、たぶん、こっちが慣れたんだと思う。慣れ。

感想「なるほど、うん、妥当」。もっと、ひどい鬱展開になるかと思ったけど、そんなことはなかった。ボイルドが予想以上に冷静な判断で、あの状態に至ったんだな、ってのが意外だった点。もうすこし驚きの展開があるかと思いきや、特になかった。仲間の死にっぷりがひどくあっさりとしているように感じた。じりじりと減って、どうしようもない状態になって、おしまい。ボイルド、ウフコックのそれぞれがそれ相応に可哀想な気はするが、なんというか、展開が綺麗すぎるというか、少なくともボイルドの選択肢がそれ以外にないって状態になっていったので、それなら仕方ないか、ってなる。確かに、一冊目・二冊目からして、そういう状態にでもならない限り、ああはならないよね、うん。終盤の「〜は実は〜だったんだ」的な部分で、全然驚けないおれ。なんでって、内容覚えてないから。それ誰だっけ状態。聖書のはじめにある、ヤコブの父がどうとか言ってる系図のところを読んでるような気持ちになった。へー、ふーんって感じ。一冊目から一気に読んでいれば感想が変わるのかもね。まず間違いなく読まないけど。

じっくり読むことに慣れている人には面白いんじゃないかな。おれには辛抱が足りんので、だめだったみたい。