sticky shift という言葉について
はじめて sticky shift という言葉を見たのは http://homepage1.nifty.com/blankspace/emacs/sticky.html だ。この言葉がどこで生まれたのか私は知らない。そしてよく知らないまま skk.vim 用にパッチを書いたりした。
最近は訳あってシフトキーについて調べている。その過程でこの言葉の使い方に疑問を感じていたのだけど、 http://d.hatena.ne.jp/rubikitch/20081104/1225745862 を見て「さすがにこれは違うな」と思ったので sticky shift という言葉について書きたいと思う。
sticky shift とは順次打鍵方式のことだと私は思う。この方式は「シフトキーを押して離すと次のキーをシフトする」という方式だ。押下するのはあくまでシフトキーであることに注意されたい。
http://homepage1.nifty.com/blankspace/emacs/sticky.html では sticky shift は順次打鍵方式と同じ意味で使われている。どうしてシフトキーを使わないのか。それも書いてある。「シフトキーの押し・離しは文字端末では検出できないために、汎用性がありません。」とそういうことだ。
私が言いたいのは「 sticky shift 自体にシフトキーを押さないという意味はない」ということだ。しかし http://d.hatena.ne.jp/rubikitch/20081104/1225745862 ではシフトキーを使わないために sticky shift を使うかのような書き方がされている。
繰り返しになるが sticky shift とは順次打鍵方式を指すのだと私は思う。その実現の過程でシフトキー以外のキー ( ; ) を使うべきだという結論に達したに過ぎない。 sticky shift が変更するのは方式であって位置ではない。だから Windows に標準搭載されている「固定キー機能」は立派な sticky shift だと言える。
じゃあどう表現すればいいのか。 ; であってもシフトさせるためのキーだからシフトキーだと言ってもいいんだけど、それだと混乱する。この文章さえも意味が通らなくなる。なので sticky key という言葉を借りる。「シフトキーを sticky key にするのではなく、 ; を sticky key にした sticky shift 」これでどうだろう。長いがこれで間違いがなくなる。
「固定キー機能」で SKK を使用してもさほど便利ではない。一方で ; を sticky key とした sticky shift で SKK を使用するとすごく便利だ。パッチを書きたくなるくらいだ。ぜひ ; を sticky key とした sticky shift で SKK を使ってみてほしい。
さすがに長いや。
余談。にわかに SKK ユーザが増えているようなのでSKKグループを作ってみた。 SKK ユーザは増えているようなのに SKK グループには人が居ないので誰か来てください。お願いします。
参考リンク
- http://homepage1.nifty.com/blankspace/emacs/sticky.html
- Ctrl+中指か薬指を使うキー操作が多いEmacsで指の負担を軽くする方法 - http://rubikitch.com/に移転しました
- SKKをVimで使えるようにするプラグインskk.vim、を改悪してみた ( skk.vim 狙え版の公開と、ここまでの変更点のまとめ ) - くふんを狙え(vimグループ) - vimグループ
- 「skk.vimにsticky-shiftぽい機能を追加してみた」の続き( 連続押下や「ん」への対応 ) - くふんを狙え(vimグループ) - vimグループ
- skk.vimにsticky-shiftぽい機能を追加してみた - くふんを狙え(vimグループ) - vimグループ
- SKK グループ